2015.10.19
ごあいさつ
最近よく「精神科に受診する人が増えたようですけど、病気の人が増えたんですか?」と尋ねられることがあります。実際にはそうではないようですが、このようなイメージがあるのも精神疾患が特別なものでなく精神科受診への敷居が低くなったことが一因なのでしょう。しかし最大の理由は、社会の許容範囲が狭くなったことにあるのではないかと私には思えてなりません。ネット社会と言われるようになった現代、ほんのちょっとした間違いさえ許されず“炎上”騒ぎになるのも私たちの社会の枠組みが窮屈になっているせいなのかもしれません。
今年のフェスタのテーマは『この場所で暮らし、そして働く』。病を患った人が自分の家で安心して暮らせることとは?そして再び就労するとはどういうことなのでしょうか。社会は私たちをどのように受け入れてくれるのでしょうか。そのようなテーマで各分野の専門家たちに講演していただきます。
皆さんへのほんの少しの勇気になることを願って
アンジェ心療クリニック 院長 諸江健二
日時:平成27年11月7日(土) 13時より16時まで
場所:アンジェ心療クリニック
参加:無料
―プログラム―
1.医学展示のコーナー
①症状を体験する
脳や心の症状はなかなか他人には分からないものです。近年、「発達障害」という名称と共に注目されているADHDとはどのような障害なのでしょうか。その脳内のメカニズムが解明され、発達障害の子供さんの視点でこの障害を体験できる機械「バーチャルADHD」を展示しています。
②漢方薬の展示とシナモンティーのサービス
漢方薬は「生薬(しょうやく)」といいその多くは私たちの身近にある薬草で出来ています。中国では漢方、その影響を受けた英国ではハーブと呼ばれ、いずれも健康に対し自然のものを利用するという思想が流れています。シナモンは漢方では桂皮、一般にニッキという香辛料として親しまれています。
*シナモンティーサービスは午前の診療時間(9~12時半)まで
2.教育相談
「高校に通わなくても、大学に行ける!就職ができる」
当院が支援している教育機関、PES個人教育会・教育サポート高等学院 学院長の古瀬先生が当院まで来ていただき、出張相談を行います。不登校、ひきこもりなどでお困りの子供さんを支えるご家族やご本人の学業に関する相談を受け受け付けます。診察時に事前にお申込みください。
3.講演 (13時半~15時)
(1)「住み慣れた場所で楽しく暮らすために」
Q-ACTチームリーダー 津田祥子
Q-ACTは、地域生活のサポートを目的にAssertive Community Treatment (包括地域生活支援プログラム)を実践する、福岡県で立ちあがったチームです。どんな人にも好きなことや得意なことがあります。利用者の方々の夢や希望の実現に向け、それを駆使して生きていく力に変えるお手伝いをしています。当日は、その中でも私たちが特に大切にしている考え方やポイントをお話します。
(2)「昼間に利用できる事業所選びは大切です」
綜合キャリアトラストSAKURA福岡天神センター 支援員責任者 井田真一
家での生活が少し落ち着いてきたら、さらなる生活リズムの安定やステップアップのために昼間どこかへ通うことが効果的です。デイケア・ショートケアや作業所以外にも、働くことを目指した就労移行支援事業所など社会復帰への選択肢は沢山あります。でも沢山ある施設をどうやって選んだらよいのでしょうか?その事業所選びのコツをお伝えします。
(3)「最高のマッチングのために、病気や障害がある方と会社をサポートします」
ウィングル福岡中央センター支援員 籾山絵里夏
病気や障害がありながらも、自分の望む生活のために就職を希望されている方は増えてきています。また病気や障害があっても採用したいという会社も増えてきています。就労移行支援事業所の就職活動のサポートと働き始めてからのサポートについてお話しします。
4.院長講演(15時半~)
「発達障害はどのように診断するのか」
最近社会でも大きく注目されるようになった発達障害ですが、その正しい理解や訓練などの実際はまだよく知られていません。特に、病気ではなく先天的な性質であり、その診断には熟練を要することなどは同じ医師であっても誤解されている部分が多いようです。果たして医師は発達障害をどのように診断し、そしてどうアドバイスしているのでしょうか。その専門的なお話しを先生にしていただきます。
5.アンジェカフェ
社会復帰訓練のためショートケアに通所されておられる方々による手作りスイーツ(チョコブラウニー、カップケーキ)と暖かいお飲物をご用意しています。また、手作りアクセサリー、雑貨も販売しております。
皆様のご来店をお待ちしています。