パニック障害
パニック障害
パニック障害とは、突然激しい不安や恐怖に襲われ、動悸や息苦しさ、めまいなどの身体症状が現れる病気です。これらの症状は、何も危険がない状況で急に現れることが特徴です。発作は予測できないことが多く、発作の再発に対する恐れが強くなると、外出や人混みを避けるようになり、日常生活に支障をきたすこともあります。
パニック障害の症状について
パニック障害には、主に「パニック発作」と「予期不安」という二つの症状があります。
パニック発作
パニック発作は突然激しい不安や恐怖に襲われる状態で、以下のような身体症状が現れることが多いです。
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- 激しい動悸(心臓がドキドキする)
- 発汗
- 息苦しさや過呼吸(速く深い呼吸)
- めまい、頭がふらふらする感じ
- 手足の震えやしびれ
- 吐き気や腹部の違和感
パニック発作は、数分から十数分程度続き、突然終わることが一般的です。
予期不安
予期不安とは、「また発作が起きるのではないか」と思い、日常生活に恐怖や不安を感じ続ける状態です。発作そのものよりも、発作が起こるかもしれないという不安に苦しむため、仕事や学業、外出など日常生活に支障をきたすことがあります。
広場恐怖症
一部の人は、発作が起きることを恐れて「直ぐに逃げるのが難しい」と感じる場所や状況を避けるようになります。これを「広場恐怖症」と呼びます。たとえば、人が多い場所や、エレベーターや電車など、すぐに逃げられないと感じる場所を避けるようになります。
パニック障害の原因について
パニック障害の原因は、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
遺伝的要因
パニック障害には遺伝の影響があるとされています。家族や親族に同じような不安障害を持つ人がいる場合、パニック障害になる可能性が高まることがわかっています。
脳の働きの異常
脳内の神経伝達物質(情報を伝える役割を持つ化学物質)のバランスが崩れることで、不安や恐怖が引き起こされやすくなると考えられています。とくにセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の関与が指摘されています。
ストレス
ストレスの多い生活環境やトラウマ的な出来事が引き金となってパニック障害が発症することがあります。仕事や学業、家庭内の問題、過去のトラウマなど、様々な要因が発症のきっかけとなることが考えられています。
パニック障害の治療法
パニック障害には、薬物療法と心理療法の二つが効果的であることが多いです。
薬物療法
薬物療法では、主に抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。抗うつ薬は、うつ病の治療に使われる薬ですが、不安を抑える効果もあるため、パニック障害の治療にも有効です。一般的には、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)が使用されます。
心理療法
心理療法には、主に「認知行動療法」が使われます。認知行動療法は、自分の考え方や行動パターンを見直し、不安や恐怖を引き起こす原因を取り除くための方法です。たとえば、発作に対する過剰な不安や避ける行動を少しずつ減らしていくことで、不安を和らげる訓練を行います。
リラクゼーション法や呼吸法
パニック発作の症状を抑えるために、呼吸法やリラクゼーション法を学ぶことも効果的です。発作時の過呼吸を抑えるために、ゆっくりと深呼吸する「腹式呼吸」などがよく用いられます。
パニック障害の治療期間について
パニック障害の治療は、個人差がありますが、薬物療法や心理療法を組み合わせた場合、数ヶ月から1年以上にわたることが一般的です。治療が進むと発作の頻度が減り、予期不安も和らいでくることが多いです。