2016.10.19
ごあいさつ
アンジェ心療クリニックを開業し七年目に入りました。その間、多くの患者さんが当院を訪れられ、救われる方もいればそうではない方もおられました。開業当初、病気なら何がなんでも治そうと、不自然に目を三角にしていた私も考え方が少し変わってきたような気がします。医学もまた自然の摂理に習った学問のひとつですから、それを無視して“治す”などとはおこがましいことなのかもしれません。しかしそれでもそれに抗うのが人間なのでしょう。
フェスタと名付けたこのイベントでは、毎回患者さんや支援機関の方々のお話しや催しをしていだたいています。皆、私が尊敬する生き方や努力をしている方々です。病気を治すだけでなく、人生の道しるべになるような彼らのお話しを私だけが聴くのはもったいないと思ったのがフェスタを始めようと思った動機でもあります。皆さん、是非ご参加ください。
アンジェ心療クリニック 院長 諸江健二
日時:平成28年11月12日(土) 13時より16時まで
場所:アンジェ心療クリニック
参加:無料
―プログラム―
1.医学展示のコーナー
①漢方薬の展示とシナモンティーのサービス
漢方薬は「生薬(しょうやく)」といいその多くは私たちの身近にある薬草で出来ています。中国では漢方、その影響を受けた英国ではハーブと呼ばれ、いずれも健康に対し自然のものを利用するという思想が流れています。お菓子や料理に使うシナモンは漢方では桂皮(ケイヒ)、我が国では一般には肉桂(ニッキ)と呼ばれ漢方の重要な素材で桂枝茯苓丸、桂枝加芍薬湯などに使われています。
*シナモンティーサービスは午前の診療時間(9~12時半)まで
②ナース RIE の10分ヨーガコーナー
ヨーガは当院の治療活動にも取り入れている重要なセルフケアのひとつです。ヨーガ療法士の資格を持つ当院看護師RIEさんのヨーガの紹介ブースでは、短時間で体に効く、心に効くヨーガをマンツーマンで体験できます。
2.教育相談
当院が支援している教育機関、PES個人教育会・教育サポート高等学院の先生の出張相談を行います。不登校、ひきこもりなどで学業が滞り、将来をご心配されている子供さんを支えるご家族やご本人の相談を受け受け付けます。
*相談人数に限りがあるため事前に医師にご相談ください
3.Tommyさんのアイリッシュ音楽 演奏
九州のアイリッシュミュージックの第一人者であるTommyこと冨野俊一さんによるミニコンサートです。映画「ロードオブザリングス」でおなじみのティンホイッスルやアイリッシュフルート、イーリアンパイプなど胸を打つ響きを持つ楽器の音色は音楽発祥の地アイルランドの風を運んできてくれます。
(第一部:13時半~、 第二部:15時~ )
4.講演 (14時~16時)
(1)「全日制高校に通うのが当たり前ですか?
~【通えない】から【通わない】へ~ 」
PES個人教育会・教育サポート高等学院 古瀬 元博 先生
院長がボランティアで相談医をしている不登校支援塾・学校の古瀬先生のお話しです。これまで小中高等学校の教育現場で長く勤められた経験から、現代の日本の教育制度の問題点と、そこから抜け出し逞しく成長する子供たちの現状について教えていただきます。
(2)患者さんの講演 「もっと肩の力を抜いて」
しょうこさん
厳しい闘病生活を今まさに体験し、それを克服する道を掴んだしょうこさんのお話をお聞きします。小さい頃から人生の荒波を何度も経験し体調を崩すようになったしょうこさん。精神科に受診してもなかなか治らず、病気なのか努力不足なのかも分からないままの辛い日々を過ごしていたある時、病気は自分の考え方次第で克服できるという体験にめぐりあいました。今、まさに苦しんでおられる方々に病気を乗り切るヒントが得られるかもしれません。
(3)院長講演
「発達障害を診断してください ~ 違いを許さない社会のなかで ~ 」
今、我が国の精神医療で発達障害は非常に注目されている分野で多くの医療機関や支援機関の中心的な取り組み課題です。しかしそれとは別の流れが医療機関で起き始めています。他の精神疾患のように治療ではなく、診断を求めて来院される大人の方々です。病気とは違い、治るという概念からは外れている発達障害の診断を求め、何故多くの方々が医療機関を訪れるようになったのでしょうか。その背景には、過酷な社会構造の変化がありそうです。
5.アンジェカフェ
社会復帰訓練のためショートケアに通所されておられる方々による手作りスイーツや、手作りクラフト作品を販売しています。
(メニュー:薔薇の花のアップルパイ、二色の紅茶クッキー 百円~二百円 )